診療全般
当院は、院長のベースである糖尿病専門医、高血圧専門医として糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を中心に診療していく方針ですが、総合内科専門医としても感染症を含めた総合的な一般内科全般の診療も行います。また、これまで赤穂市民病院でも担当してきた腎臓内科領域の診療及びJSPO公認スポーツドクターとしてアスリートの内科的問題を解決すべきスポーツ内科外来も併設しております。また、当院専属のJSPO公認スポーツファーマシスト(薬剤師)とも連携します。
糖尿病
糖尿病の大多数を占める2型糖尿病の診療において、適切な体重を目指すことは血糖管理のみならず、心筋梗塞に代表されるような大血管障害の予防、腎機能の維持などQOL(生活の質)の維持を目指すために重要な課題です。当院では、患者さんの希望に応じて、積極的に内臓脂肪を減量出来る可能性のある治療レジメンを取り入れます。
最近の糖尿病管理に関して、①血糖コントロールの量(HbA1c)をコントロールすることによる糖尿病性細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)の抑制のみならず、②血糖コントロールの質(TIR; time in range)を担保し、心筋梗塞・脳梗塞に代表されるような大血管障害の予防を図る事も必須事項となってきました。その為に、(フリースタイル・リブレ、リブレPro等)血糖の日内変動をモニターするデバイスを積極的に診療に応用致します。これらのモニターは夜間低血糖の無自覚性の低血糖の検知に有効です。(従来はそれ程起こっていないと考えられていた無自覚性の低血糖も、これらのモニターの開発により、実際には考えられていた以上の頻度で生じていることが判明しました。勿論、当院では可能な限り低血糖が絶対起こりえない治療レジメンを目指しています。)
1型糖尿病に関してはインスリンポンプ、持続血糖モニタリングを積極的に取り入れ、安全かつ厳格なコントロールを目指します。最近では、腹部等にインスリン注入ポンプを貼り付け、リモコンでインスリン注入を管理するシステムの導入を積極的に行っています。
万が一の低血糖昏睡に陥ってしまった際の対応策として、ブドウ糖内服以外に鼻腔噴霧式のグルカゴン製剤も導入しております。
高血圧
高血圧に関して、近年副腎由来のホルモンの過剰分泌による2次性の高血圧が以前考えられていたより高頻度である事が判明しており、治療前のスクリーニングが重要です。また、塩分制限などの生活習慣の改善も有効でない場合も多々あります。つきまして、当院では随時尿検査により推定一日摂取食塩量測定し、生活習慣の改善を促します。高血圧が慢性的に遷延すると重要な臓器(脳、心臓、腎臓など)の機能不全をもたらします。近年、降圧剤も細分化され、同じ降圧剤でも患者さん毎に適当な薬剤を選択しないと逆に重要な臓器の機能不全を促進することもあります。当院では、高血圧学会専門医が治療を担当します。
高尿酸血症・痛風
血中の尿酸値が上昇し、関節に炎症を起こすと痛風発作として痛みのために生活の質の低下を来します。
プリン体の過剰摂取で引き起こされる方や体内での尿酸過剰産生による方、腎臓からの尿酸排泄低下による方など、それぞれの尿酸値の上昇機序により薬剤も選択されます。
また、既に腎機能の低下を来されている患者さんの場合も薬剤の再検討が必要になることもあります。
発作が起きそうなときに発作予防薬を手持ち頂き、発作予防に自己対応して頂く事もあります。
尿酸の体内への沈着は痛風以外の弊害を引き起こします。
例えば、尿酸が腎臓に沈着することで痛風腎を来し、腎機能の低下を招きます。基本的に腎機能の低下は不可逆性と言われておりますが、改善出来る事もありますので一度相談頂けましたら幸いです。
脂質異常症
脂質異常症(高脂血症)に関して、動脈硬化性の大血管障害(脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症など)において中心的な危険因子であり、欧米の糖尿病医診療の指針では、コレステロールが高くても高くなくても全ての糖尿病患者にコレステロール降下薬をトライするように記載されています。また、日本の動脈硬化疾患ガイドラインでも、糖尿病があるだけで格段に厳しいLDL(悪玉)コレステロールの管理基準が当てはめられます。近年、この領域の薬剤の進歩でLDL(悪玉)コレステロールが著明に(70未満)にコントロールされても大血管発作リスクが残存する事が知られるようになってきました。この点に関して、同時に中性脂肪の管理も重要視されるようになりました。当院では、糖尿病、高血圧、脂質異常など動脈硬化性疾患の主要なリスク因子を包括的に管理して行きます。
腎疾患
腎疾患に関して、これまで赤穂市民病院では検尿異常への対応〜腎生検 保存期腎不全の管理〜透析管理まで担当して参りました。しかしながら、クリニックでは腎生検や透析管理は行う事は出来ません。当院では、検尿異常や急性腎障害への初期対応を行い、必要に応じて基幹病院である赤穂市民病院と連携して精査・加療を行い、病状が安定化後に当院で外来管理を行います。また、腎不全患者に関しては保存期腎不全の間は当院で管理を行い、透析導入間近に基幹病院と連携して透析導入〜維持透析を施行していく方針です。また、それまでに赤穂市民病院での透析療法選択外来などで①血液透析②腹膜透析③腎移植など療法選択のための情報提供を行い、療法選択の補助を行います。
検査に関して
当院での糖尿病の管理において、なるべく通常検診の時間的な負担を軽減するために、通常の検診では指先採血による検査を優先させ、2〜3ヶ月に1回(腕からの)詳細な静脈採血を行う方針でおります。また、一般的にクリニックでは即日の検査結果をお伝えすることは困難ですが、翌日にE-MAILなどITを用いた検査結果の伝達を検討しておりますので相談下さい。また、検査結果の郵送も承ります。(その際は、切手代の御負担をお願いします。)
診療経過で高度な検査や外科的治療が必要になった折には、赤穂市民病院などの周辺の基幹病院と連携して精密検査や外科的治療を行います。
血液検査の頻度は、患者さんの御意向を考慮致しますので御相談下さい。
スポーツ内科外来
アスリートを支える医療と言うと整形外科が先ず思い浮かびますが、内科、精神科、眼科、歯科など様々な診療科のサポートが近代スポーツでは常識になりつつあります。
スポーツ内科外来では、アスリートの貧血や無月経、運動誘発性喘息、致死性不整脈の素因となり得る心電図異常など内科的疾患に関してメディカルチェック及び治療を行います。
アンチドーピングに関して
TUE(治療使用特例)について:アスリートが持病によりドーピングに抵触する薬剤の使用を余儀なくされる時には、一定の条件を持って除外申請し、当該薬剤の使用が許可される場合があります。
当院では常勤の公認スポーツドクター及び常勤の公認スポーツファーマシストが連携してTUE書類作成などを行い、サポート致します。
JSPO公認スポーツドクター 院長 小畑利之
JSPO公認スポーツファーマシスト 小畑雅津子
「かかりつけ医」機能に関して
・当院では健康診断などの結果などの相談に応じます。
・健康・福祉サービス利用などに関する相談に応じます。(介護保険の主治医意見書など作成致します。)
・訪問診療を行っている患者さんに対して夜間・休日の問い合わせへの対応を行います。
・必要に応じて専門医・専門医療機関を紹介します。